17世紀のイタリア、20世紀の米国金融危機が歴史の転換点に

17世紀のイタリア、20世紀の米国金融危機が歴史の転換点に

2011年は地中海が注目を浴びた年でした。北側では欧州危機。南側のアフリカ大陸では「アラブの春」と呼ばれる民主化運動が巻き起こりました。

 

「歴史は繰り返す」という言葉があります。 17世紀の地中海でも、現在の欧州とよく似た金融危機が発生しました。イタリアのジェノバという都市国家は、当時の覇権国スペインへの融資により、世界の一大金融センターとして繁栄していました。ところが、金融の膨張で通貨が過剰に流通した結果、金利は1%台まで低下。ジェノバの金融システムは、正常な状態から逸脱しました。

 

その後、スペインの没落とともに不良債権が膨らみ、ジェノバの銀行は経営が悪化しました。地中海貿易で栄華を誇ったイタリアの豪商たちは力を失い、オランダや英国による帝国主義の時代へと移り変わっていきました。ジェノバの低金利は、欧州経済が富の一局集中からグローバリゼーションへかじを切る、ひとつのターニングポイントとなったのです。

 

金融の膨張と崩壊という歴史は、これまでに何度となく繰り返されています。1929年の大恐慌もそうです。米国では好況の1920年代に投機マネーが膨らみ、誰もその流れに歯止めをかけられなかった結果、株価は大暴落し、多くの企業や銀行が倒産しました。

 

この恐慌が欧米列強の対立を激化させ、やがて第二次世界大戦へとつながっていきました。17世紀のジェノバと同じように、20世紀の大恐慌もまた経済や政治、社会にとって重要なターニングポイントとなったわけです。恐慌のまっただ中の1933年、米国で「グラス・スティーガル法」という法律がっくられました。金融機関の巨大化が恐慌を深刻化させたという反省のもと、この法律では銀行業務と証券業務の分離など、金融機関にさまざまな制約を課しました。

 

冷戦終結後、欧州の銀行の台頭で押されていた米国金融機関の強い要望により、グラス・スティーガル法は1999年に廃止。その後、米国の金融機関は急速に拡大の一途をたどります。金融工学の発達によるデリバティブの開発と普及、レバレッジの拡大も金融市場の膨張を後押ししました。それから10年も経たずに起きたリーマン・ショックと、世界規模の金融危機。まさに「歴史は繰り返す」の格言通りです。

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